■第一部■  - 9 -この国あの国






男子5番 中飛 亮太君…キミは英語検定2級を持っているそうですね、しっかりと通訳しなさいよ。」
「ハイ!!」中飛が大声で返事をした、いつに無く脅えている…
ふぅと斎藤が一呼吸置いて喋りだした。
「以上で質問は無いな、じゃあ皆さんお待ちかねの、BR3開幕です!!今回は第三回の実験PGなのでたくさんの偉い人たちが来ています、
参謀本部長 松原 茂男様 教育庁副長 須田 一樹様等が来ておられます
皆さんの期待に答えらる用に必死に戦ってくださいね。」
「じゃあ、一班から順に所定のキャンプに向かってくださいね。尚時間差は5分とします。」
「一班…二班…五・六・七・八」
全員出て行くと斎藤はニヤリとした。そしてマイクを持ち
「えーと、勝利者投票権か勝利班投票権をお求めの方は本部のデスクに集まってください。」
そう、まだオトナ達は遊び足りないのだ、命を弄ぶ悪魔のゲームで…
この国が「大東亜共和国から亜細亜共和国になってから3年、外交的には開国・自由貿易権等が次々と認められた
表面的には『クリーンな国』として見られるようになってきた…が内部的にはどうだろう。
GDPは確かに大東亜共和国のときよりもさらに伸びている、しかし職を失い家庭が崩壊していく人々も増えていった。
その結果少年による凶悪犯罪が今も昔も減らないのだ、そこでまた「戦闘プログラム」と題した「Death Game」がまた始まったのだ。
しかし年に2回夏・冬にしか行われないので「反政府活動」はそこまで活発ではない。
そして優勝者には一軒家が与えられ年間1000万円が渡される…コレを好待遇というのか果たしてどうだろう。
とにかくこの国は、内面的にはホンの少ししか変わってない、1cmいや0.1mmそれぐらいだろう。

始まりの合図はいつも悲鳴で始まった…ゲームのルールだ。




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