■第一部■ - 1 - そこにあった希望






「アレは中二年の夏だったかな・・・そう、「大東亜共和国」が崩壊したのは・・・

いつものように眠たい目をこすりながら、趣味の競馬情報誌を見ながらテレビを見てた。
すると、突然ニュースが変わり・・・
「ぴ〜ガガガガプツン〜俺たちワイルドセブンはこの国大東亜共和国を、壊滅させた。」
奥は競馬情報誌を「ポロリ」と落とした、IQ145の頭は一瞬「何が起きたんだ」
と思ったが、すぐ理解できた。
リーダー格の男かと思われるまだ少し幼さの残る声と顔だけはしっかりと今でも覚えてる。
すると、翌日は「DHK」と言われる放送が「AHK」に変わっていた。
「われわれはここに「亜細亜共和国」を設立することを宣言します」と一言・・・
そう、この瞬間俺たちの「バトル ロワイヤルV」がスタートした。



いつも同じ朝を迎えているオレはいつものように7時に学校へと向かう。
いつもと同じ場所で同級生の川津 勇介を待っていた・・・
「よぉ、川津3分オーバーだぜ♪」
川津ほか少数にしか見せない、奥の笑ってる顔。
「わりぃわりぃ、仮眠とっていました」
と悪びれる様子なく、謝っている。
この二人は、奇遇なことに小学一年から違うクラスになったことはない。
そのせいか、奥は川津には人懐っこい笑顔を見せる。
「はぁ〜夏だぜ〜」
この男は夏生まれのくせして、暑いのが大嫌いなのである。
逆に川津は夏が好きで、家にいることの方が珍しいのだが・・・
「ことしはどこに行くかな〜」
「オレは、暑いとこじゃなきゃいいぜ」
やっぱり、きらいなんだ・・・川津はおもった
「じゃあさ、海行こうぜ、海」
「海か・・・何するんだ?」
「泳いだり〜ボードやったり、かき氷食ったり」
はっとして、川津は喋った
「そういえばさ、うちの学校、クラスは学力分けだよな、俺ら一緒になるかな・・・」
ふぅ、とだるそうな口調で奥は言った
「一緒だろ、だって小学校から一緒だろ」
「でも、小学校はかんけーないじゃん」
この二人、観点がずれてる・・・
この二人を紹介すると・・・
奥は普段は寡黙でもないが、喋る方ではない、ただおもったことは素直に喋る。
その容姿もあってか、結構モテている。
趣味は競馬実際賭けている、15だが、18に見える容姿・身長があるのでOK・・・計画性がある。
あと、表情はめったに出さない、表に出すのは、川津他少数と話してる時だけ。
しかも、素行は良くない、授業中は起きていることの方が珍しい。
しかも、髪を染めている、しかしなぜか、テストの結果はいい。
川津は逆に良く喋る、一緒にいてとても楽しい。
真面目ではないが、奥よりずっとマシ、女にはそこそこもてる。
「もうすぐ学校だ、クラスたのしみだな」川津のさっきまでの心配はどこへやら。
 




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