■第二部■ プログラム編 - 1 - バスの中で |
7月9日午前9:30 今、俺達一中3−1のメンバーは修学旅行のバスの中だ。 皆、個人個人でわいわいとやってる。 立花 陽平(男子7番)は少し疲れた顔をしている。 (なんで委員長ってこういう行事の時に仕事が多いんだろう) 立花は昨日遅くまで修学旅行の下準備をしてたのですこぶる調子がでない。 そんな中、皆がわいわいとしているの少しイライラしていた。 (こっちの身にもなってくれよぉ) そして1番うるさいやつが近づいてきた。 「委員長はん、疲れた顔してどないしたん?ガム噛む?」 江井原 大輔(男子3番)はガムを出して渡してきた。眠気すっきり書かれてある。 「んん?あ、ありがとう。今からちょっと休むから」 「了解やぁ!向こうに着いたらまた相手したってなぁ。」 立花は眠りに入った。 一方、武車 健太(男子10番)はある決意をしていた。 (この修学旅行であの人に気持ちを伝えないとな) 「なあ、陽ちゃ・・・寝てるのか。じゃあ仕方ないな、後で話するとしますか。」 二宮兄妹はいつもどうりベッタリ状態だった。 「あの2人って近づきにくくなったよね。」 「うん、あたしもそう思った。」 「なんかもう恋人って感じの状態だよね。」 「もしかしたら進展してるかもよぉ。」 「ええマジ!?それヤバくない?」 「双子でそれはヤバいよね。」 成本 愛子(女子2番)前田 菜々子(女子6番)武藤 瑠璃(女子7番)はこそこそそんな話をしていた。この3人は同じ吹奏楽部なのでけっこう仲がよくていつも街のほうに遊びにいっているそうだ。 荒木 孝則(男子1番)は相変わらずのナンパ攻撃を繰り広げている。 「陸ちゃ〜ん、修学旅行終わったら二人きりでデート行こうぜぇ!」 「いやっ!あんたは軽いから嫌〜い。」 「そんなつれないこと言うなよ〜。」 藤林 陸(女子4番)は思った。 (こいつ顔はかなりいいのになんで性格がこうなのかなぁ) 五十嵐 慶吾(男子2番)や柳生 美穂(女子8番)はいつもだんまりだが今日は寝息をたてていた。 あんなにうるさかったクラスがいつの間にか静かになっていた。皆、いい寝息をたたている。 そしてバスも進路とはちがう方向に向かいだした。 「えっ、え〜、バスからの報告。一(はじめ)中3年1組の拉致に成功いたしました、どうぞ」 ピッ、ガシャ。 「本部からの報告、そのまま港へ向かえ。」 「はい、了解です」 バスは港へ向かいだした。 さあ、死への門は開かれた。誰からこの門に入ってくる? |
【残り20人】 |
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