■第一部■ 学校編 - 4 - 最後の日常






鷹山 空(女子1番)はケータイで時間を確認した。
午前8時27分だ。
(学校に間に合うかなぁ)
空は走りながらそんなことを心配していた。
いつもだったらこんな走る必要はないのだが、今日は何故か起きるのが遅かった。
隣には
江井原 大輔(男子3番)が一緒に走っている。
(大輔くん、いつもこんなに走っているのかなぁ?)
空は息が切れてきたのが自分でも分かった。
「空ちゃん、大丈夫かぁ?もうすぐ学校やからがんばりぃ」
「うん、そうだね。」
この後の2人に言葉はなかった。

学校のチャイムが鳴ったと同時に空と大輔は教室に駆け込んだ。
井上先生はにぃ〜と笑っている。
「江井原が遅刻しないのは珍しいな、それに鷹山がこんな時間に来るのも。なにかあったか?」
2人とも息が切れていてまともに話できる状態ではなかった。
「まあいい、早く席に着きなさい。」
2人はとぼとぼと自分の席に着いた。
「さあ、修学旅行まで後3日と迫りました。ということで今日は色々決めることがあるのでよく聞いておいてください。」
今日は班決めと旅行で何をしてまわるかを決まった班で決めて終わった。

放課後
「よ〜し、もうちょっとだ。あと少しであれができる。」
小宮山 大吾(男子5番)はぶつぶつそんなことを言っている。
(あいつ、いったい何をやっているのだろう?)
和久井 優子(女子9番)は少し気になったので聞いてみることにした。
「メガネ、何してるの?」
大吾はなかなかメガネの似合う男なので「メガネ」と呼ばれている。
「んん?和久井さんか。これはハッキングプログラムだよ。」
文字がぐちゃぐちゃと並んでいるのが優子には分かった。
「メガネ、いつもこれを作るのにPC持ってきてるの?」
「そうだけど・・・なんか文句ある?」
「ああ〜その言い方ムカつくぅ。そりゃ。」
優子は大吾のメガネをひょいと取った。
「あたしまだメガネの素顔見たことなかったんどよねぇ。素顔拝見!」
優子は大吾の素顔を見てしまった・・・
「っ・・・ メガネ外したほうがかっこいいじゃん。」
「そうかな?誰も俺の素顔見ようとするやつはいなかったけど。」
「そうなの?へぇ〜。それじゃあPCがんばってねぇ。」
優子は教室をでた。何故か顔が熱い。
(どうしたんだろ?この感じ。胸がぐっと締め付けられる感じ。もしかしてあたし・・・恋!?)

「そろそろ謹慎も終わりかぁ〜」
荒木 孝則(男子1番)気分がよかった。
「俺、誰と班になったのかなぁ。川村とか委員長と同じだといいな。」




     もうすぐ、もうすぐ来る。地獄からの審判が



【残り20人】


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