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西暦2014年 9月9日 大神中学校は東京の近郊にある学校で数年前に作られたのでまだ新しい。 「文武両道」を校訓にし、勉強にもスポーツにも力を入れている。有名な高校に進学する生徒も時々現れる。 そんな学校でひときわ明るいのはこの3−4だ。1学期の文化祭では作品賞や歌唱力もとれるぐらいの団結力もある。 ちょうど体育祭がはじまるこの季節の初めごろに修学旅行ある。皆楽しみにしていたのかバスの中はドンちゃん騒ぎだった。 「歩(あゆむ)〜、なにボケっとしてるんだよ。こんなに盛り上がってるのに。」 「ああ、悪ぃ。何を話していたんだっけ?」 俺は木佐貫 歩(男子5番)クラスではけっこう目立つほうで体育委員をしている。正直言うとこの雰囲気ではすぐに疲れてしまうのでは?という疑問もあるのだが、俺の周りにはもう5人ぐらいの友達が詰めかかっているので無視することも出来ない状況だ。 さっき話しかけてきたのは俺の大親友 青柳 悠斗(男子1番)だ。悠斗とは小学生の時からの付き合いだ。昔から気の合うやつで周りからは「お前ら兄弟か?」といわれるほどだ。時にケンカしたりもしたけど1日すればもうそんなことは忘れていつもどおり、これが俺と悠斗だ。 俺達は5人で成り立っている。俺と悠斗、それから「こば」こと小早川 良太(男子6番)、「みねさん」こと峯田 義信(男子10番)、「りょう」こと吉村 涼(男子13番)だ。 俺達は何をするのも一緒で毎日学校で何かの行事ごとに大暴れしていた。悠斗が話しかける。 「中野さんとはどうなっているわけよ?Aか?Bか?それともCまでいったのか?」 「何言ってるんだよ。大体俺と歩(あゆみ)はそういう関係じゃないぞ。」 歩(あゆみ)とはこのクラスの女子で中野 歩(女子8番)のことだ。現在俺は彼女と付き合っている。 身長はそんなに高くはない、まあ平均あたりだ。黒目がちな目とちょっと丸顔っぽいのが特徴なぐらいだろうか。 これでもか、というぐらい元気な子で俺はいつも引っ張られている。俺も活発なのだが彼女には勝てない。 彼女とはひょんなことで付き合うこととなったが今は言わなくてもいいだろう。 「そうか、なんか面白いことが聞けそうだと思ったのになぁ・・・ってかなんか眠くねぇ?」 こばが言った。 「俺疲れているみたいだ、ちょっと寝るわぁ。皆寝てるし。」 みねさんもそんなこといいながら寝てしまった。りょうはとっくに夢の中だ。 歩は何かおかしいと思ったが自分も眠たくなったのでそのまま眠ってしまった。 「こちらから、大神中学の生徒拉致いたしました。」 『こちら本部、ご苦労様でした。』 「しかし、4年ぶりですねこういうのは。前回もあっさりと寝てしまいましたが今回もあっさりでした。」 『さっさと連れてきなさい。』 「了解。」 バスは港へ向かっていくあのころと同じように。 <分校> 歩が再び目覚めた時にはもう何人か起きていた。起きているのは部活には所属してないけどこの学校で最も学力の高い福田 聡明(男子9番)、空手部の亘 洵(男子14番)、ブレイクダンス部の安井 亜美(女子11番)それとこれまた無所属の倖村 刹那(女子12番)の4人だ。歩とはあまり接点がない人物ばかりだった。そんなことよりここがどこかを知るほうが大事であった。学校の教室というのはすぐに分かったが大神中学校ではない。まずかなり古いのだ。しかもここは人間ここ何年も使っていないようにも思える。生き物が住んでいた気配さえも感じられない。まるでここだけが時間が止まっているようだった。しかし、その雰囲気も次の瞬間消え去った。 ガラガラと教室のドアの開く音が聞こえた。ちょっと大柄なスーツをしっかり着込んだ男が入ってきた。男は手を叩きながら、 「お〜い、起きろぉ〜!あんまり寝てると先生が直々に起こしに行くこととなるぞぉ。」 大半の生徒が目を覚ました。まだ寝ているのは4人程度だ。男は、 「仕方ないなぁ。おい、入って来い。」 そういうとドアから兵士のような人間が4人入ってきた。ヘルメットをかぶっているので顔は分からないが銃を所持していた。 そして兵士は教室の四隅を陣取った。一人の兵士が銃を天井に向けてはなった。鼓膜が破れそうな爆音が教室を木霊した。 もちろんこんなことをされれば起きるに決まっている。これで全員が起きたということになる。 「よし、全員起きたな。では初めに、あなたたちの新しい担任となりました大川 武です。以後よろしく。」 「何寝言ってるんだ!?早く小山先生出しやがれ!」 「そうよ、それにどうして私達がこんなとこに連れて来られているのよ!」 水泳部の竹之内 元気(男子8番)と同じく水泳部の小幡 潤子(女子3番)が席から立って言い放った。 「先生に意見する時は手を挙げて言うんだよ。そうしないと小山先生みたいになるよ。おい、あれをもってこい。」 一人の兵士がゴミ袋のようなものを持ってきた。そして大川と名乗る男がゴム手袋をはめて袋の中から物体を取りだした。 それは間違いなく小山先生の首だった。大川はその血だらけの首を生徒側に向けて教卓の上に置いた。 歩は気分が悪くなった。胃からやばいものがでてきそうになっていた。すで嘔吐している者や涙で顔がぐしゃぐしゃになっている者もいた。 「はい、約束を守らないとこうなりま〜す。あれ、ちょっと刺激が強すぎたかな?まあいい、ここに第2回中学生BR開始する。」 生徒の顔は蒼白なっていた。誰も口を出そうとは思っていない。誰もがBRという言葉に耳を疑った。 「あれ〜?元気がないな。それも仕方ないか。ではさっそく、」 「いや、私いや。死にたくない、いやあぁぁぁぁ!!!」 そう叫びながらドアから逃げようとしたのは小森 厚美(女子5番)だった。美術部でちょっぴり太めな普段は大人しい子だ。 大川は顎で兵士に命令した。2度目の爆音が教室を木霊した。爆音の後小森は倒れた。ドアの前に兵士が死体となった小森を外に持っていった。 「まったく、最近子供は大人の命令も聞けないのか。勝手に行動するとさっきの子みたいになりますよ。では、さっそくBRの説明を始めたいと思うが、その前に質問はないか?」 一人だけ手を上げた生徒がいた。陸上部の栗山 奈央(女子4番)だった。 「え〜と、栗山さんだね。どうぞ。」 「どうして私達はこんなことになったんですか。BRなんてとうの昔の制度じゃありませんか!もう2人も死者がでているのよ。冗談じゃすまされないのよ!」 栗山は泣きながら講義した。大川は答える。 「そうです、BRはとうの昔の制度です。しかし、現政府の総理TANAKAはこの制度の復活を要請したのだ。近頃の若者は締りがないと、ここで一つ喝を入れなければと。ニートやフリーターといった者が増える現在、若者は働こうとしない。こういった人物をこの世から排除しなければならない。この国の発展のためである!それのためならたった40人ぐらいの命など礎にしか過ぎない。これが総理の考えだ。以上、他には?」 もう誰も手を上げない。絶望に浸る者、今にも狂いそうな者、そしてわずかな希望を信じる者。 大川は淡々と話を進める。 「もうないんだな。じゃあルール説明に入りたいのだが今回は面倒なのでプリントを配布する。簡単な説明だけするぞ。分からないことは今聞いておかないと死を招くこととなるぞ。まあ、プリントの意味を読解できないやつが生き残れるとは思えんが。じゃあ、さっそく説明だ。皆の首には首輪がしてあるだろう。それは皆を監視し、違反者を罰するためのものだ。もし不正行為があったなら先生のスイッチで首輪はどか〜ん!小山先生みたいなるぞ。」 歩(あゆむ)は初めて首輪があることに気がついた。重くて首が冷えたのはこのせいだったのだ。 「それから禁止エリアなんてものもあるぞ。それはプリントに書いてあるぞ。あっ、そうそう地図も渡しておいたぞ。地図見てもらえば分かると思うが1〜8、A〜Hと分かれているな。これが禁止エリアをメモするやつだ。詳しくはプリントだぁ。今午前11時45分だから12時に出発してもらうぞ。1〜4、A〜Cは午後6時に禁止エリアになるぞ。あとはランダムに禁止エリアを0時、6時、12時、18時と連絡するからな、あとこの時死んだやつの発表もするからな。誰も殺さないだろうっていうのは間違いだ、周りはやる気って考えたほうが長生きできるぞ。24時間死人がでなかったらGAME OVER、全員の首輪を爆発するぞ。それぐらいかなぁ、殺人にルールはないぞ、さらに武器まで付いてくるんだからさっさと殺して優勝者決めろよ。今回は総理TANAKAの御慈悲により最大2人まで生き残れるようになってるぞ。男子1人、女子1人だけだ。あとは残念ながらお釈迦様だ。SPゲストも呼んでるぞ。名は氷神 純也、年齢は同じく15歳。なんか変なやつだったぞ。皆出て行ってから2分後にそいつも外に放すからな、容赦なく殺してもいいぞ。顔知らないやつのほうが楽だろ?じゃあ、さっそく始めるぞ。男子1番、青柳 悠斗!」 |
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