■第二部■ プログラム編 - 25- blue |
陽平たちは分校の近くにある海岸を目指して歩いていた。 橋を通り過ぎても爆発しないのは首輪がないからだ。井上 和男(3−1担任)によって外されていたからだ。 陽平たちは分校を覗いていった。やはり誰もいない。もう蛻の殻だった。 「彼らはもう退いたようだね。そのまま海岸へ向かおう。船の1つや2つはあるだろう。」 陽平たちはうなずいた。 <A1(海岸)> ようやく海岸にたどり着いた。潮風が心地よくまるで陽平たちを迎え入れるような感じでもあった。 しかし、予期せぬ訪問者が先に来ていた。 「やってくれましたね、あなたたち。特に井上和男、私はあなたを許しませんよ。」 しゃべり口調で分かった。今回のプログラムを企てた山本 哲也である。 「それはどうも。山本・・・いえ、五十嵐さん。私は反政府の道を選びました。この子達と共に。」 和男は陽平たちの肩を叩いた。陽平たちは誇らしげな顔であった。 「私も我が子奪われたこのBRはあまりいいとは思えませんがそれも総統の意のままだ。私はそれに従うだけ。」 山本はガバメントを構えぐっと握り締めた。和男もトンプソンM1A1を構えた。 「私も大事な仲間を失いました。これがなければダイも楽しい人生が送れただろうに・・・。」 「ああ、あの「白銀の獅子」ですか。彼はとてもおしい人材でしたね。彼ほどの実力者は他にはおるまい。」 山本はガバメントの引き金を引いたがもう遅かった。 和男の放った弾丸のほうが数秒ぐらい速かったようだ、胸の中心を見事に貫いていた。 「嗚呼、タナカに栄光あれぇ!!」 山本はプラトーンポーズで倒れた。もう息はない。 「タナカには栄光はないよ。私達が潰すから、ね?陽平くん。」 「そうだ。」 陽平たちは山本が乗る予定であったであろう小さなモーターボートを見つけた。ガソリンは満タンだ。 4人乗るのは少し窮屈であるが仕方ないことである、文句は言えない。 <ボート上> 「これからどうする?」 健太が聞いた。 「まず、仲間を集めるんだ。それからじゃないと何も考えられない。」 陽平が答えた。 「その件は私に任せてもらえばいい。反政府の拠点をたくさん知っているからね。そこからヘッドハントすればいい。」 「やはり、政府関係者は伊達じゃないねぇ、これからも頼りにしてますよ先生。」 美穂が頼もしい男を褒め称えるように言った。 「いや、頼りにするのは私ではなく陽平くんだ。」 「じゃあ頼りにしてるよ、陽平。」 「あっ 今、陽平って。」 「別にいいじゃない。小さいころはそう呼んでいたんだから。」 俺たちは戦う。勝負の行方?そんなの誰も分からないよ。でも、俺たちは負ける気は全くない。 いままで犠牲になった仲間達をわすれない。 さぁ、拳を上げようぜ!!俺たちは未知なる可能性と力に満ちているのだから。 一(はじめ)中学プログラム解除。 |
【脱走者 4名 】 |
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