■第一部■ 学校編 - 1 -






一(はじめ)中学校は街からは遠く離れた岐阜県の田舎の学校だ。
全校生徒は合計90人ほどの本当に小さな学校だ。
だから政府の眼もあまり向けられずに済むのでとても平和なところである。定年後にここにる人もしばしばいる。だからこの辺は老人がけっこう多い。今日も学校からは生徒のさわやか声が聞こえてくる。

3年1組の担任は井上 和男(23歳)でとても若い先生だ。
「では立花、号令を」
立花 陽平(男子7番)は3年1組の委員長でとても優しくて、頼りがいがあって、人望も厚い。クラスの人からは「陽ちゃん」と呼ばれている。
「気をつけ!礼!!」
あいさつも終わり全員席に着いた。一人をのぞいては・・・
・・・10分後
(ガラガラ〜 パシャン!!)
「あちゃ〜遅れてもうたか。今日は間に合うと思たのになぁ〜」
「遅れてもうたじゃないだろう。君は何回遅れてきたら気が済むのだい?」
ちょっとした静寂の後・・・
「先生、わいはちょっとわけありなんは知っとうやろ?今日は見逃してやぁ〜」
「今日という今日は許しません!グラウンド10周してきなさい」
「えぇ〜!?この前より2周も増えとうやん!ほんまそれだけは勘弁してやぁ〜」
クラスからドッと笑いが起きた。
この会話が日常茶飯事(というかほぼ毎日だ)そしてこの関西弁の男は
江井原 大輔(男子3番)である。この少年は2年前、神戸から引越ししてきた。そして1年前、彼は事件に巻き込まれて眼膜をやられている。幸い眼膜移植はできたみたいだが・・・
その目の色は青色だった。そう彼は青い目をしている。たぶんあれは外国人の目だろう。何故外国人の目がここにあるかは分からないがこの国の人が青い目をしているのはちょっと気味が悪い。と考えているうちに授業は終わった。どうやら江井原は走らされたようだ。
でもこの教室にはいない。
「おい、立花。江井原が帰ってこないようだから。その辺りを探しておいてくれ。私は次のクラスにいかないといけないからね。」
「了解です。でもどうしていつも俺が探さないといけないのかな」
「それは君が委員長だからだよ。じゃあ頼んだよ。」
井上先生はスタスタと次のクラスへと向かっていった。
(さあ、探そうか。あの青き目の少年を!)
立花は勢いよく背伸びをしてから教室を出ようとしたら声をかけられた。声の主は
武車 健太(男子10番)だった。
「俺も一緒にいくよ。いいだろ?」
立花はすぐに答えた。
「よっしゃ!ついてこい!」




人間は偽りの愛、偽りの友情に感動し、共感するのだ。
そう人間の感情なんてすべて偽り。
僕らはもうなにも信じることができない。
だから僕らは戦う信じれるのは自分だけだから・・・



【残り20人】


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